TAS & コンサルティング
日本の外国語教育を考える
Language Education in Japan
長年英語を勉強しても、話せるようにならない。これは日本で長いあいだ語り継がれ、一向に解決の道が見えない1つの現象です。
私はこれまで書籍や記事のなかで、いくつも有効と思える方法をご紹介してきました。でも実際、それらは対症療法にしか過ぎないと感じています。言語はもっと全体的なもの、トータルなものであり、生活や体験を通じて全人間的な行為として獲得されるからです。
というと難しく聞こえますが、要は話し、体験する環境がなくては、話す能力は伸びません。それを考慮して、現在中学校、高校、大学の一部で英語だけの授業が展開されています。とても良いことだと思います。しかし話すもとになるのは、発音、語彙や文法知識、文化などの背景知識の積み重ねです。果たしてそれらは十分なのでしょうか?
私はこの数年、フランス語の獲得に挑戦しています。数年といっても、仕事の関係でほんとに勉強したのは2年ほど。現在3年目に入ります。そこで感じるのは、やはり話すのは難しいということです。話すためには、ある程度の言語の自動化(考えなくても話せる能力)が必要ですが、おそらく今学んでいる何倍かの知識がないと、口から自由にフランス語が出てくる状態にはならないだろうと思います。
つまり、やはり知識(データ)の積み重ねが大切なのです。話せないのは、ただ話せないのではなくて、必要となる語彙や構文はもちろん、文化的理解も含めたその言語に対するトータルな知識が不足しているからだろうと思います。AIが言語を自由に扱うのは、巨大なデータの中から言葉を抽出しているからです。我々の脳もいわゆる知識の集積所です。
自分の経験も交えながら、今後もこの問題に取り組んでいきたいと思います。フェイスブックのTAS&コンサルティングのブログ(プロフィール欄にURLを掲載)では外国語学習について語っています。よろしければご覧ください。